急に寒くなった、今日みたいな日でも。
夜、子ども達がベッドに入った後、ひとり庭にでる。
やることに追われる日々。
ココロが硬く、アタマが休まることを知らずに動き回る。
でもふと、虫たちの声が、私を覚ます。
隣の空き地、向こうの森、家の庭。
そこかしこから聞こえる虫くんたちの音色は、規則正しく、それぞれが澄み渡った音色を響かせている。
あぁ、誰と誰がこの音を奏でているんだろう。一生懸命、自分の音をつくっているんだろな。
ふと、そんな風に虫くんたちの姿を想像して、その途端、カッチカチだった私のココロがふわっと緩んだ。
しばらく、ただ、すべての自分の声をしずめて、周囲の音と気配だけに意識を向ける。何種類の虫くんたちがいるのか、聞き分けてみようと思った。
むずかしい。
最初はどうしても、2種類しかわからなかったけれど、徐々に、その数は増えていき、5種類ほどは、区別できるように。
それにしても、虫くんたちは、他の虫くんの音を聞いているのだろうか。聞いている、いないに関わらず、まわりに引っ張られることもなく、自分のテンポを崩さないのは、すごいことだ。たいした、リズム隊だ!
ちょっと冷たい風だけれど、ココロとアタマをやわらかくしてくれた、虫くん達に、感謝。
ほんの10分、されど10分。とっても大切な、ひとり時間。