絶対に学校の先生にはならない。そう思って教育実習も取らなかった私が、家で学習塾を開いた。
絶対にお医者さんにはならない、そう思った私のクローゼットには、白衣や術衣が入っている。
絶対に、ただきれいサッパリと人は消えてなくなるんだ、死んだら。親しい友人が突然この世を去ったときそう強く願った私は、今はまた、彼女に会える日を楽しみにしている。
若い頃の「絶対」は、私の場合、かなりあてにならない。
ひとつ、自分を褒めてあげるなら、時が流れて変化の波がやってきた時に、なんとか、その「絶対」にしがみつかなかった、柔軟さだけかな。