今日、私は、犬と手を取り合って、数分間を過ごした。
非常にぼんやりと、お互いにふたつの手と手を重ねあわせて、とってもゆっくりとした時間だった。
仕事が終わり、疲れていたっていうことも、あるかもしれない。
頭のスイッチはオフで、なんだか、私たちの手を通じて、まるでエタニティループのように、何かがまわりながら流れているような、そんな気がした。
それでふと、気がついたのだ。
私の人生、私という生き物から、「動物」という要素を取り除いたら、私はどうなってしまうだろう・・って。
それは、思わず眉をしかめてしまうような、なんか自分が自分で無くなるような、この宇宙に私は、もはや存在すらもしてないだろうよな、そういう不確かな感覚が、一瞬、私の体をかすめていった。
ただ、好きとか嫌いとかの話ではなく。
動物のネタとあれば思わず見てしまうし読んでしまうし、とくに犬とか猫とか、人に近い存在のこととなると、いつでも手を伸ばせば触れるところにいて、もう、まるで人生のデフォルトだ。
触れられる時も触れられない時も。思い浮かべたり話題にしたり。コトバにするだけで、そのエネルギーが存在するわけで。
血や肉や、遺伝子、DNA、・・どこだろう、どのレベルまで潜り込んでいるのか分からないほど深い部分に、「私」というものの中に「動物」の要素が組み込まれている、気がする。あぁ、そうだ、そういえば私自身、そもそもおんなじ「動物」なんだった。
あんまり当たり前のことだから、忘れちゃうけど。
私が私であることを、支えて可能にしてくれている彼らに、ちゃんとお礼を言わなくては。たまには感謝を、伝えなくては。
いつだって、当たり前のことは、気がつきにくい。
ただそこにいてくれるだけで、動物たち、ありがとう。いつも私を私にしてくれて、ありがとう。
・・あなたにも、そんなもの、あるだろうか。