小さい頃から、そして大人になってもなお、憧れ続けていたものがある。
それは、まるで見えない糸で結ばれているかのような、人と犬猫やペットの関係。
ピタッとどこにいっても側にいて、何も言わずにすいっと寄り添いあう。
大人になれば、いつかきっとそんな関係が自動的に築けるのかな、と思っていた。自分で自分の犬を飼えば、そんな風になっていくのかな、と思っていた。
(・・子どもの頃は、どうにも犬に構いすぎて、怒られてました。ウーッって。)
ところが、大人になってはじめて飼った「マイドッグ」は、決して私が思い描いたほどにはならなかった。もちろん、お互いになくてはならない、存在であったし最高のパートナーだったけれど。
私が、好きすぎて、しつこいのだろうか。
持って生まれた性格や気質だろうか。
しつけを、しすぎたのだろうか。
いろいろ考えたが、やっぱり自分にとっては、桃源郷の中でしか実現しないことのような気がしていた。
ところが。
今、私はそこのところを突き抜けた気がする。
マロンは、ある時期を境に、まるで私が夢見たまんま、私と歩みをぴったり揃え出し、どこにいても寄り添うようになった。鳥は、一度ケージから出たら、私から離れない。
にんまり。
ペットは、動物(だけとは限らないが)、地上に生きとし生ける存在。
彼らには、多くの人には見えないものが、みえる。人類が長い時間かけて無視することを選んできたことを、十二分に感じながら、生きている。
いま、私は、成長したんだな。
やっと、動物たち(生き物たち)が認めてくれるところまで、上がってこれたのかな。
でもまだ、白雪姫のようにまではなっていない。
もう少し上がらないと、彼女のようには、いかない。
外を歩いていて、野生の鳥や動物たちが、無性に私にすり寄ってくるまで、がんばろう。