全身を研ぎ澄ます
私は目がわるい。
普段はメガネかコンタクトをしているが、ひとたびはずすと、ほとんど目の前の文字も見えない。
だから、夜は危険だ。
お風呂上がり、家族が寝てしまった後、裸眼で暗い部屋を歩くのは、ほんとーに危ない。
何が危ないって、床にゴロンゴロンと寝転がるペットたちを、踏んでしまいそうなのだ。
一番危ないのが、茶色い犬のラキさんだ。
ペターっと寝ている彼女の体は床と同じ色をしていて、メガネがあろうがなかろうが、明るい昼でさえも、同化してしまう。
なので、私はことさらに神経とか、第六感とか、いろんな感覚をフル動員して、真夜中の部屋を進む。
ちょっとでも、何か足元に違和感や空間の「ゆがみ」を感じたら、そこを、さける。
そしてなかなか、自分でいうのもなんだけど、この「気配を察知する感覚」は、近頃、研ぎ澄まされてきている、気がする。
メガネの有無にかかわらず、そして昼でも夜でも、この感覚を全身で使っていくべきだ・・・と、近頃は感じている。
・・っていうか、懐中電灯とか、常夜灯を使えば?って。
ツッコミがきそうなんだけど。ね。