もあみみ便り

獣医師ヒーラー れお奈のブログです。障がいも不登校も、ど〜〜んとこい!

ハッピーへ捧ぐ

ハッピーへ

 

 

トマト、パプリカ、グレープ、マロン、そして、あなたが、アーティ。

あなたの兄弟は、みんなで5匹いたの。

 

あなたのお母さん、モアナが、ヒィーーンって鳴いては、1時間おきくらいに、あなたたたちが世の中に出てきました。

小さいけど大きい、黒いイモ虫のようなあなたたちに、私は、リボンをつけていきました。

 

赤は「トマト」。黄色、「パプリカ」。紫が「グレープ」。

 

トマトから始めたので、なんとなく、お野菜とか果物が、あなたたちのお名前になっていきました。

でも、緑色のリボンになって、困っちゃった。

だって、緑のお野菜って、ほうれん草、レタス、ピーマン、白菜・・。

どれも、お名前にするには、あんまり、ピンとこなかったんだもの。

 

そんな時ふと、「アーティチョーク」が浮かびました。

 

あの頃はまだ、アメリカで暮らしたちょっと後くらいだったから(あっちでは「アーティチョーク」ってお野菜がよく売られていたのね)。

オシャレかな、なんて思って、あなたをアーティチョーク、って名付けたんだよ。

 

 

 

はじめあなたは、私たちの家族になる予定でした。

だって私は、女の子が、ほしたかったの。大好きな、モアナ母さんのような、女の子を。

 

 

まず2匹の女の子のうち、トマトがすぐに、新しいご家族を決めて、それからグレープやパプリカも、次々と、家を出ていきました。

 

あなたは、覚えていないでしょうけれど、お母さんモアナと、もらい手がなかなか決まらないマロンと、そして人間の赤ちゃんと一緒に、

小さな千葉の借家でギュウギュウと、一緒にすごしたんだよ。しばらくの間。でもそう、今から思えば本当に、短い間だったけど。

 

 

兄弟犬マロンは、いつでも、新しい家族の元へ、行くつもりだったの。

何度か、素敵なおうちが決まりかけたんだけど、でも不思議なことに、決まった後に、キャンセルされてしまうのです。

相手の方に、どうしても、しかたのない理由ができて、なくなく、行く前にキャンセルされてしまう。

そんなことが、2回くらい、続いたかな。。

 

”これは、マロンが、うちの子になるってことかなぁ・・?でも3頭のスタンダードプードルは、ちょっと・・きついかなぁ。。”

そんなことを思ってた矢先、あなたは、すっと新しいご家族を見つけました。

それも、とびっきりの、あたたかい、ステキなご家族を。

 

 

あってすぐに、あなたはお姉ちゃんやお父さん、お母さんと意気投合して、

「わたしの家族!」

と、言わんばかり。

 

なんてあっさり・・・って、少し、さびしいくらいでしたよ。

すごく自然に、すごく決まりきったことのように、あなたは私たちの元を、去っていきました。

 

 

そしてあなたは、「ハッピー」っていう、とってもパワフルな、幸せの名前をもらったのね。

 

 

 

それからのことは、残念ながら私はあんまり知らないけれど。

でも、毎年お父さんが、あなたの写真や名前が入ったおハガキで、家族みんなで幸せそうな様子を、伝えてくれました。

 

それはとっても、とっても、とっても、うれしいお知らせでした。

 

見た目はマロンとよく似た、でもどこかモアナのような、あなた。

「ハッピー」として、ご家族にこの上なく愛されながら、生きている、あなた。

そしてここ数年は、病気と闘いながらも、でも、いつも、やさしいご家族と一緒に歩んでいる、あなたを。

応援していました。心から、応援していました。家族みんなで、あなたを支えているらしい様子が、よくわかりました。

 

そしてあなたが今、一つの新しい旅立ちをして、私は、目が涙でぼやけちゃうんだけど、昔の写真をみたり、しています。

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モコモコの小さな黒い子犬たち。

その中にごちゃごちゃと混じった幼い、私の最初の息子(人間)。

 

 

私があなたのほとんどの人生(犬生)を知らないように、あなたも、私たちがあれからどんなことを経験したか、知らないよね。

 

我が家にもう一人、人間の息子ができて、あなたの兄弟犬マロンは、3人兄弟になったの。

あなたと同じね。でもこちらの弟は、体に障害があって、マロンはなかなか一緒に散歩に行けないってところが、ちょっとあなたとちがうところ。

 

 

ガラッと私たち家族の生活を変えた、その子の誕生なのだけど、それより前の私が、どれだけ、たくさんの情熱をあなたたちやモアナに捧げていたか、思い出させてくれました。
私にとっての『夢』が、かなえられている日々でした。


3度の飯よりも動物、とりわけ犬、ってくらいの私が、どれだけ、あなたたちとの生活を楽しんでいたことでしょう。写真から、次々に、よみがえります。

 

 

何よりも私が心を奪われたのは、あなたたちと、まだ1歳ほどの私の息子が織りなす、ユニークでかけがえのない日々模様です。

ドッグフードやおやつを食べたり食べられたり、息子があなたたちにドーンとよっかかってはいつしかじゃれあってたり。

 

ヒトとイヌっていう、ちがう種類の生き物が、しかもその幼子たちが、なんて垣根のない、なんて自然な美しい関係を築くんだろう、って。もう、たまらないほど、みんなが愛おしくって、もう気が狂いそうなほど、目に、頭に、心に、その風景を焼き付けたくて、一生懸命、あなたたちを見つめ続けたものです。

 

今は、ごくごく自然に、別のことで、私の頭はいっぱいです。

でもあの頃の私は、あなたたち(種族)に関わるコトに、自分の人生のほとんど全てをかけるつもりだったな。

 

こうやって、懐かしいあのひと時代を、あなたの旅立ちとともに思い出させてもらったのです。

人間の息子と、犬の息子と、新たな人間の息子の誕生と。私の家族がたどってきた道を、丁寧にゆっくりと振り返る時間を、くれました。

 

 

本当に、ありがとう。

 

 

 

 

あなたに、心から、祈りを捧げます。

あなたを愛し、これからも愛し続ける優しいご家族に、心より、感謝を捧げます。

 

 

また、あいましょう。