起きてすぐ、もうどうしたってテンションが低い日だってある。
ふつふつ、くつくつ、心の中に善からぬ言葉が並びだす。
私ばっかり。とか。なんでよ。とか。
でも、そうしたモヤモヤ心の声に、負けてたまるかっていう声も聞こえる。
自分の感情などに、負けてたまるか。
だから、その声の方を、必死でキャッチするんだ。
お願い、これ以上、沈ませないで。
お願い、愛ある行動を、とらせて。
愛ある言葉を、はかせて。
愛ある判断を、させて。
閉めてた扉を、バリバリと破るような音がして、すると突然、茶色の塊(かたまり)がとんできた。
胸の中にどしゅーーん、と飛び込んできた。
子犬だ。
ラキ。
ひとしきり、動けないで座りこんでいた私の、顔から髪の毛から、すべてを嵐のようにグッチャグチャにして、また、走り出していった。
子犬は、愛のかたまりだ。
縁あって、家族になって、もう2週間。
一見するとカオスな日々が、さらにカオスに。
でも、もう一度言うけど、
子犬は、愛のかたまりだ。
導かれるまま、この子についていくとしよう。